「考える人」「カレーの市民」「バルザック」「地獄の門」などの彫刻で知られる、近代彫刻の父、ロダン。この「イヴ」は彼がもっとも充実した創作活動を行っていた時期の作品で、その身をよじるポーズといい、量感ある肉付けといい、いかにも彼らしい骨太で存在感のある力作である。またロダンは日本とのつながりも深く、“白樺派”の作家らとの交流をとおして日本の近代彫刻にも多大な影響を与えた。
1840年フランス・パリ生まれ。14歳より5年間、プチ・エコールにて装飾美術を学んだのち、建築装飾の仕事を続けながら彫刻を学ぶ。1875年のイタリア旅行でミケランジェロの作品に触れ、感動。1876年「青銅時代」を発表し第一線の彫刻家として歩み始めた。上記の代表作をはじめ、多くのブロンズ、大理石の作品を残し、1917年、ムードンで没した。