フィリップ・キングはイギリス現代彫刻の代表的作家のひとり。彼の作品の大きな特徴は、まるで舞台劇のような、雄弁で激情的な動きと構成。この作品でも彼の持ち味はいかんなく発揮されている。量感のある幾何学的立体の使用、荒削りな材質感が、“火”という主題を明確にし、作品によりいっそうの力強さと緊張感を与えている。
1934年、北アフリカ・チュニジアのチェニス生まれ。ケンブリッジ大学、セントマーチン美術学校に学ぶ。セントマーチン卒業と同時に同校で教職につき、以後20年間彫刻を教える。その教室からは、ギルバート&ジョージ、リチャード・ロング、ブルース・マクレーンらイギリス現代美術を代表するスター作家を輩出している。