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「これからの公共空間の緑を考えるシンポジウム」を開催しました!

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12月2日(金)に「これからの公共空間の緑を考えるシンポジウム」が御堂ビル1階いちょうホールにて、開催されました。

このシンポジウムは、御堂筋における緑化活動が対外的に高く評価をいただいている中で、その価値を再認識し、広く発信すること、空間再編が進んでいく御堂筋の今後の活動に活かしていくことを目的として、開催いたしました。
 当日は、現地参加が約60名、オンラインでの参加が約70名、合計約130名の方にご参加いただき、公共空間の緑に関する関心度の高さをうかがい知ることとなりました。

ゲストとして、ランドスケープデザイナーの月ケ洞氏(株式会社グリーンチーム)、京都大学大学院の准教授である山口敬太氏をお招きし、それぞれの専門的な視点から講演が行われました。

基調講演「人に喜ばれる緑」 月ケ洞利彦氏

月ケ洞氏は、「人に喜ばれる緑」をテーマに基調講演を行い、ナチュラリスティックガーデンの考え方を軸に、御堂筋における緑のあり方やその未来について語りました。

2016年から始まった「御堂筋コンテナガーデン」をはじめとし、この取り組みが「ナチュラリスティックガーデン」の概念を基盤にしながらも、御堂筋らしさを加えることで独自性を生み出しています。植物の特性や成長過程を重視し、四季折々の変化を楽しめる空間を作ることに重点を置き、宿根草やグラス類を組み合わせることで、自然な景観を創出し、都市に新たな魅力を与えています。
また、月ケ洞氏は「プランツマネジメント」の重要性にも触れ、都市緑化では単に植物を植えるだけではなく、その後の管理や育成にも創意工夫が欠かせないと強調しました。持続可能な緑化のためには「クリエイティブな」アプローチが必要であり、それが都市環境をより豊かにする鍵であると述べました。
最後に、月ケ洞氏は都市緑化において最も大切なのは緑への「情熱」であり、この情熱を持ち続けることが御堂筋の美しい緑を次世代に繋げ、持続可能な都市環境を実現する力になると力強く語りました。

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話題提供①「世界の公共空間に見るグリーンの潮流」 山口敬太氏

次に話題提供①として、山口氏は「世界の公共空間に見るグリーンの潮流」をテーマに、緑化の美的価値、環境価値、経済的価値について解説しました。

まず、美的価値の事例として、ニューヨークの「ハイライン」プロジェクトを取り上げ、ピート・アウドルフ氏の手がけた「生きたアート」が都市空間に新たな価値をもたらし、年間700万人以上を惹きつけたこの事例を山口氏は「ハイラインショック」と名付け、これがグリーンムーブメントのきっかけとなったと述べました。
また、環境価値としては、熱波災害を契機に進められたパリの緑化政策が紹介され、路上駐車スペースの緑化や透水性の地表面への再設計などが都市の気候変動対策に大きく貢献しており、その急速な進行に対する驚きを山口氏は「パリショック」として表現しました。公共空間の緑化がパリの気候対策における重要な役割を果たしていることを強調しました。
さらに、山口氏は緑化が街の賑わいや不動産価値を向上させ、地域経済にも良い影響を与えることを指摘。緑化は単に景観を改善するだけでなく、環境保全や地域活性化にも貢献すると述べ、持続可能な都市づくりにおける緑の力の重要性を強調しました。

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話題提供②「グリーン&クリエイティブ そしてウォーカブルな都心づくり」 三好正人氏

最後に話題提供②として、御堂筋ネットワーク事務局 三好氏が「グリーン&クリエイティブ そしてウォーカブルな都心づくり」をテーマに講演を行い、御堂筋の緑化活動について紹介しました。

御堂筋の緑化活動は2016年に始まり、官民連携による管理体制が確立された経緯などが説明されました。その後、2017年の御堂筋完成80周年に「御堂筋将来ビジョン」が大阪市から策定されたことを契機に、緑化活動としてもエリアの歩行者空間化や御堂筋の広場化が進められていることが紹介され、また、その他の取り組みとして、景観コントロールや防災も強化され、エリアの価値向上を目指した施策が進んでいることが報告されました。
さらに、御堂筋エリアが2024年度に環境省の「脱炭素先行地域」に選定されたことから、2030年度までにCO2排出実質ゼロを目指し、官民一体で取り組んでおり、今後はさらに地域特性に応じた先行的な脱炭素の取り組みを行っていく予定です。

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その後は、原田氏の司会のもと、パネルディスカッションが行われ、「高品質な緑・都市を作っていくための重要なポイント」をテーマにパネルディスカッションが行われました。
月ケ洞氏は、維持管理だけではなく、むしろ「マネジメント体制の構築」が不可欠であることを強調し、加えて、緑化の価値を広く社会全体に共有していくことの重要性にも触れました。
三好氏は、取り組みの負担を1企業に集中させるのではなく、全体で連携・協力していく姿勢が必要だと提案し、そして、プロフェッショナルの力を借りながら、丁寧な枠組み作りをしていくべきだと述べました。
山口氏は、人材育成や多様な植栽の試行を通じ、緑化活動には段階的な取り組みが必要だと述べ、活動の目的を社会全体で共有する重要性を強調しました。

講演後には質疑応答が行われ、都市空間における緑の役割について深い議論が交わされました。

 ガーデナー、有識者、エリアマネジメント団体、という全く異なる分野の方が集まり、様々な角度から公共の緑を学ぶ良い機会になりました。
 また、今回は現地も多数の方にご参加いただきましたが、オンラインにて全国から公共団体や緑に携わる方々、まちづくり団体の方々が多数ご参加いただきました。終了後のアンケート結果においても、約9割の方が今回のシンポジウムについて「とても満足」「満足」と回答いただき、非常に好評であったことが分かります。
 当会としてもこれからも引き続き緑化活動に力を注いでいきたいと、改めて感じた一日でした。
 多数のご参加心より感謝申し上げます。

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