はつらつとした、若く健康的な肢体から、初々しさとほのかな色香が感じられる。Tシャツをお腹のあたりで持っているポ−ズがユニ−クで、オ−ソドックスなモチ−フが魅力的なものになっている。作者の長年にわたる美への探究心が帰結した作品である。
大正3年、山形県米沢市生まれ。関根聖雲の弟子小林芳聡の木彫の手伝いをしながら木彫の手ほどきを受けた。昭和7年、日本美術院の平櫛田中に師事し、院展に出品するようになる。同9年、友人をモデルにした木彫「乞う人」で院展初入選し、20歳の時、彫刻家のデビューを果たす。 30年代から木彫より塑像を多く制作するようになり、34年以降の一連の「ネグリジェの女」シリーズによって、具象派作家の地歩を確立する。